眼鏡

眼鏡を買った。

ついニ、三年前までは目の良さを自慢していたのが、スマホの見過ぎと加齢によって、あれよあれよと視力が下がり、いよいよ、映画の字幕まで読みづらくなってしまった。

なんとか意を決して、まずはリーズナブルな眼鏡を確保しようと近所のJINSに車を走らせた。

視力検査を終えて仮のレンズをつけてみると、今までソフトフォーカスになってた風景にシャープネスがパキパキっとかかる。床を見ても、ぼんやりした汚れが、黒の斑点の一つずつまで見えるようになった。

見えてたつもりが見えてなくて、しかも、数年前まではこの明確な視界の中で生活していたことを考えると、日常生活で見落としていたものがどれだけあるのだろうかと、少し哀しくなってしまう。

情報の世界も似たようなものだ。
最近の報道を見ていると、問題の核心がどこにあるのか見えないまま、ぼんやりとした印象だけが流され、気づけば結論や決定事項だけが報じられている。

今一度、眼鏡をかけるように、いろんなものに焦点を合わせてみたい。
とはいえ、慌てると、間違った「色眼鏡」で陰謀論なんかを信じてしまうことにもなりかねない。

視界とともに、思考も、注意してフォーカスしたいものだ。

※写真は今回買った眼鏡。とりあえず一番安いのにしたw

追悼・岸田秀

心理学者で和光大学名誉教授の岸田秀が亡くなったそうだ。

代表作『ものぐさ精神分析』はベストセラーだったので、ご存知の方も多いと思う。

私も高校生の頃にハマって、「ものぐさ」シリーズを始め、当時出ていた著書はほとんど読んだ。せいぜいまだ10冊程度だったが…。

岸田は「人間は本能の壊れた動物であり、幻想を本能の代わりとして生きている」といった「唯幻論」を軸に、様々な社会現象や人間心理を精神分析風に読み解いていた。そのエッセイがとにかく面白かった。

『嫉妬の時代』だったか、ロス疑惑を執拗に追った編集者のモチベーションは、裕福な遊び人の三浦和義への嫉妬に過ぎない、という分析なども印象に残っている。結局、三浦和義は有罪にはならず、疑惑のまま亡くなった。

岸田を入口に、フロイトやユングに向かった人も多かったと思うが、私には難解過ぎて無理だった…。

そういえば、昔、職場に和光大学卒業の人がいたので、岸田のことを尋ねたら、「ただの酔っ払いだよ」と言われて、少しガッカリしたのも覚えている。

改めて『ものぐさ精神分析』の目次を見ると、今でもかなり面白そう。またいつか、読み返したい。

写真は、あちこち家の中を探してようやく2冊だけ見つけた著書

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