前田市長と下関市立大学②

新聞の折り込みに前田市長の広報が入っていた。
下関市大のことは実績ではなく、新たな重点政策として触れられていた。
裏付けのない思いつきで悪意たっぷりに解釈してみよう。

①「未来に向けて!更なる総合大学の充実
  リカレント教育等推進のため市立大学大学院無償化
  市内大学の総力を結集する大学連携法人を設立」
②「市大キャンパス構想の実現と新駅設置の検討」
③「市立大学を世界大学ランキングへのランクインチャレンジ」

①-1 未来に向けて!更なる総合大学の充実
箱モノ市長の通説通り、総合大学化で新校舎を新設することと、教員と職員の採用枠を作るのが目的か。

①-2 リカレント教育等推進のため市立大学大学院無償化
リカレント系は、リカレント教育センター、特別専攻科と大学院。
私が在職していた時の生徒は、韓派関連に繋がる人がほとんどだった。
生徒が居なければ、組織自体が不要。
だから、教員のポストを維持するために生徒が必要。
大学院も同じ。
「大学院無償化」というけれど、市大の大学院は定員10名。
それでも、昔は、学部生と留学生が学部卒業後に毎年1、2名入るだけで、広報班や入試班でも悩みの種だった。
そこに韓派が教育経済領域を立ち上げ、市大職員、教員など関係者が入学して、当初はバブル的に需要が上がった。
卒業生を市大教員に採用したりしてるし。

23年度の資料では25名も院生がいる。
(普通大学院は2年間なので、20名を超えるのは不自然だが…)
院生が居なくなれば、採用した大量の教員があぶれる。
学費無料でも研究生が欲しい、といったところか。
ちなみに、「教育経済領域」の今年の入試は、二次募集を出してたみたいだけど受験者はいたのかな?

①-3 市内大学の総力を結集する大学連携法人を設立
市内大学の連携組織はすでにあって、広報や図書館など、部門別に会議などしていた。
シーモール2階に共同でラックを借りて、大学案内やチラシを設置していたが、最近は無くなっている。
法人化してどうする?
事務職員と教員をそこで雇うつもりか。
事務室も借りる?
税金でね。

② 市大キャンパス構想の実現と新駅設置の検討
「新駅設置」は学生・受験生には必須だから賛成だけど、「市大キャンパス構想」は情報が無いので良くわからない。

③ 世界大学ランキングへのランクインチャレンジ
それ自体は良いことだけど敢えて悪意で判断すると…

韓派の人々が所属しているAJHSという学会がある。
Webは日本語のページが全くない国際的組織なので、そこを絡めるつもり?とか。
https://www.ashs-human.net/
スタッフぺージの下の方に市大関係者の名前がある。
https://www.ashs-human.net/organization/board-of-directors-secretariat>

昔は半分ぐらいは市大関係者だったんだけど、随分減った。
機関紙もあるので、掲載した人の名前を見ると様子がわかる。

官僚は、組織の拡大が自己目的化しがちで、新規ポストや天下り先の開拓に熱心だ。
このことは、パーキンソンの法則としても有名だし、マックス・ヴェーバーも詳細に分析している。
政治家の役割は、こうした官僚を上手く活用することにある。
じゃないと、優秀な頭を組織拡大にだけに使いがち。
「組織の拡大化」を軸に前田市長の新政策を見ていくと、思惑が透けて見えてはこないだろうか。
実績自体、箱物が多いし、今回の政策案も良く見ると、予算を必要とする箱モノ案件が昭和の自民党のように多い。
他の候補者の公約も見てみたいけど、出てるかな…
前回の続きも書いてたのに、公約関連だけで増えてしまったので、また次の機会に。

前田市長と下関市立大学①

来月は市長選挙らしい。

公約達成ということで、下関市立大学の総合大学化も上がると思われるが、その裏で何が行われていたか、当時、職員だった私から見たことを備忘録として記しておく。

なお、この件はNHKで「検証大学改革光と影」として放送された。

下関市立大学は旧市街、山の田交差点近くの大学町にある。

2023年までは経済学部の単科大学で一学年の定員は450名。

そこに、前田市長の意向で、2024年度にデータサイエンス学部、2025年度に看護学部を新設した。新設学部の定員は両学部とも80名だが、データサイエンス学部は経済学部から定員を移しているので、看護学部分の80名だけが増え、全体では一学年530名。各学部用に校舎は建設した。

さて、問題は、学部新設の前の2019年に起こった現在の韓昌完学長の採用事件である。この事件に伴って、2020年以降、当時の教員の半分以上が転籍や退官を選んだ。

では、何があったか時系列で簡単に説明する。

2019年5月30日

 前田市長が理事長など大学関係者を市長室に呼び、インクルーシブ教育の取り組みの説明とともに、教員として韓昌完とその門下2名(小原愛子、太田(現在中村)麻美子)の採用を打診した。

同年6月6日

 学内で教員に向けた「インクルーシブ教育に関する下関市立大学の取組について」の説明会

同年6月19日

 経営企画会議で「専攻科の設置について」が議題となる

教員は規程に則った正式な手続きを経ない採用はありえないと反対。賛成する理事長らは、「採用する教員は新設する専攻科の教員であって、現在の経済学部の教員に対する採用規程には当たらない」とした。

教員を中心とする教育研究審議会の議題に「専攻科・特別の課程等の設置について」「教員の採用について」が挙げられたが、教員側委員が出席を拒み、6月中に4回流会。

同年6月26日

 経営審議会に、山村重彰理事長(2019年度に副市長職から就任)による追加議題「専攻科特別課程等の設置について」が提出され承認される

このあとも教員側からは抗議が続けられた。

そして…

同年9月16日

 市議会にて、大学の定款変更が可決

新しく理事会が設置されるとともに、理事会に属する理事長や学長に人事を含む権限が集中することになった。

ほとんどの教員や私のような職員には全く知らされないまま、定款変更まで準備されていた。

用意周到な計画である。

新設学部についてはまだ何も明かされていなかった。

この後、教員が次々と下関市立大学を去るのと同時に、新しい定款の元、簡易的な審査で教員が採用されていった。また、この動きに同調した教員や職員も恩恵を受けたのだった。

韓昌完については「HAN研究財団」の登記簿に当時の自民党市議が2名記述されていて、市議会でも問題になった。財団は、当時登記簿に記名され市大の経営審議会委員も勤めていた岡田氏の病院の敷地に住所があったのだが、現在は、役員も一新され京都に登記されている。岡田氏の名前は、監事として並んでいる。Googleマップに2022年として示される住所の写真は、売り地の看板の立つ空き地である。

続きと詳細はまた次の機会に。

いろいろある。

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