映画『妖怪の孫』☆☆☆☆

安倍さんを振り返るドキュメンタリー。つい先日まで「広島と山口では上映されない」、と話題だったのだけど、一応、4月にどちらでも上映されることになったらしい(山口県は防府)。下関近辺では、3月30日まで小倉で上映されていたので見てきた。

作品は、国会やニュースなどのテレビ映像を主に使いながら、安倍政権時代の振り返りと、「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介から続く家柄と安倍さんのプライベートの姿を紹介する。

安倍さん自身は不幸な事件に巻き込まれてしまったが、改めて安倍政権は何だったのか、というのを考えるのは、必要なことだろう。

「目の前の利益のために政権と手を組んだ右翼もいるが我々は断った」と語る一水会代表。政策の法的判断を公正に行ってきた内閣法制局の長官を自分達に都合の良い者に変えたことで、これまでの法的判断が真逆になったことに愕然としたという官僚達。そして、インターネットも含むメディアコントロールへの執着。

下関のことも、田辺元市議が出演し、江島市長時代の談合や、安倍晋太郎時代は友好的だった在日韓国人との関係などにも触れている。

ややテーマを盛り込み過ぎていて、さすがに最後の憲法バートはちょっときつい感じもあったが、論点としてはよくまとまっていた。

最近の国会で起こった騒動である放送法と憲法改正関連も、安倍さんの悲願であったが、本来は政権から国民を守るための憲法と放送法なのに、なぜか政権に都合良く変えようとしていた。こんな常識から外れていることが、なぜか当たり前のようになっているのが安倍政権以降の、現在も続く日本の姿だったりもする。

私は投票権を得て約30年、日本にいる間は欠かさず選挙で投票しているが、一度も自民党候補に投票したことが無い。かといって、左派一辺倒という訳でもなく、三島由紀夫信者で天皇主義右派だった10代の記憶もあるので、絶えず「憂国」気分ではある。

そういうことを、改めて思い出すには良い作品だった。本来、下関こそ上映すべきな作品で☆4つ。

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